安全・安心な国・地域を実現するために災害軽減と環境保全についての研究を行っている。これらは真理探究と問題解決を平行して実施すべき課題であり、真理探究のための「コト」を明らかにする研究、問題解決のための「モノ」作りのシステム化に加え、防災意識啓発や技術者教育などの「ヒト」作りが必要となる。
1. コト:強震時の都市−建築物−地盤系の挙動解明と環境振動に関する研究
地震災害に対する都市環境の安全性を確保するには、都市が立地する堆積平野の地震時挙動を明らかにすると共に、建築物の地震応答性状と耐震性能を解明することによって、的確な耐震技術を構築したり、都市の防災施策を立案することが必要となる。そこで、濃尾平野に立地する中京圏を対象に、堆積平野の地下構造の解明、強震動の予測、地震被害の予測を行うと共に、理論・実験・観測に基づいた建築物−地盤系の地震時挙動の解明、建築物の免震・制震技術の開発、構造物−地盤系の振動解析方法の開発などに関して一連の研究を実施してきている。また、都市の振動環境の改善のため、交通振動や工事振動の発生メカニズムの解明と振動問題解決法に関する研究も併せて実施してきた。これにより、安全で快適な都市環境デザインの基礎を作っている。
2. モノ:都市の地震防災や災害情報に関するシステム化研究と防災教材作り
地震防災に係わる膨大な知識・データを活用し都市防災力を向上させるため、都市防災GIS、地盤データ活用GIS、リアルタイム地震防災システム、環境モニタリングシステムなどの一連の災害情報システムを開発してきた。双方向災害情報システム「安震システム」、小中学校の防災・環境拠点化を図った「安心ステーション」、防災教育の改善のために開発した携帯型振動台・模型「ぶるる」などが具体的事例である。
3. ヒト:地域協働による防災力向上に関する人作りと地域ネットワーク構築の試み
地域防災力の両輪は、地域の防災技術力と市民の防災意識であり、技術力向上のための専門家の協働や、市民の意識啓発のための仕組み作りが重要になる。そこで、様々な対象に対して、対象別に研究会・交流会を主宰している。