●地形概要
東山丘陵は,尾張丘陵と総称される丘陵の西遠部に当たる。この丘陵地は,鮮新世の矢田川累層とそれを不整合に覆う更新世(洪積世)の礫層群によって構成され,海抜100m前後の定高性を示して連なっている。また,丘陵地には更新世の各礫層の形成に関連した多くの地形面が発達する。東山丘陵では,矢田川累層を切る丘陵背面は猪高面と呼ばれる。高位礫層である八事層の作る地形面は八事面と呼ばれ,東山丘陵付近に発達し,南西へ20/1000程度の勾配で傾く。
なお,この他の名古屋市街の主要な地形について概説すると,名古屋市街の主要部を載せた中位段丘面は熱田面と呼ばれ,その構成層は熱田層である。熱田台地は,その中央部を南北に貫通する大曽根面によって東西に分断されている。大曽根面は,最終氷期の後半に,木曽川・庄内川等の扇状地ないし谷底平野として形成されたものである。熱田面は熱田大地のほかに,庄内川や矢田川に挟まれた守山台地等に広がる。熱田面が形成されたのは4~5万年前と推定されている。熱田面より若い地形面としては,名古屋市周辺では鳥居松段丘の地形面(鳥居松面)があり,河成礫層によって構成されてる。
名古屋の地形分類図,名古屋の地質概略図は下記を参照した。
土質工学会中部支部編「最新名古屋地盤図」昭和63年 |