様々な啓発の試み(06/5)

皆様、こんにちは。年度が新しくなり、気持ちも新たにされていることと思います。

小生、この年度変わりの時期に、大変貴重な経験を致しましたので報告します。一つはルーマニア国内での啓発行脚、もう一つは小泉総理や安部官房長官への耐震啓発です。

昨年1月、国連世界地震防災会議で訪れていたルーマニアの研究者が私の部屋を訪ねてくれ、その時に名古屋での啓発の取組に興味を持ってくれました。とく に、「ぶるる」シリーズをいたく気に入られ、帰国後、ルーマニア国内での啓発行脚を依頼されました。ルーマニアは、人口3000万人くらいの国で、中心に はカラパチア山脈があり、南はドナウ川、東を黒海が境をしています。首都ブカレストは、山脈とドナウ川に挟まれたところに有ります。カラパチア山脈の南東 位置の深さ100kmほどのところで、30年に一度ほど、定期的に地震があるようで、首都ブカレストは前回1977年の地震で甚大な被害を蒙りました。 ルーマニアは、共産党時代にチャウシェスクが独裁政治をし、首都ブカレストに国民を集中させるため、耐震性の無い10階建てくらいの共産党住宅でブカレス トを覆い尽くしてしまいました。これらを早期に耐震化しないと、近い将来発生する地震で、再び悲劇が起こしてしまいます。これを回避するため、日本政府が ルーマニアの地震災害軽減のためのJICA(国際協力機構)プロジェクトをおこし、この数年、日本から、研究者や技術者を派遣して、耐震化に意欲的に取り 組んできました。しかし、国民や技術者の意識が全く向上しないとの悩みを抱えていたようで、小生に啓発役の白羽の矢が向けられました。このため、ぶるる機 材一式をルーマニアに送り、3月中旬に、10日ほど滞在し、ルーマニア国内5カ所で、啓発行脚をすることになりまた。相手は、小学生、高校生、一般市民、 行政マン、学者など色々です。ルーマニア語の通訳に助けてもらいましたが、日本の「こころ」は十分に通じたようです。ルーマニア国営放送にも出てきまし た。少しでもルーマニアの国の雰囲気が変わると良いと思います。本当に良い経験でした。

このルーマニア出張中に、突然、内閣府の防災担当の方から連絡が入り、4月21日に開催される中央防災会議で、小泉首相、安部官房長官、沓掛防 災担当大臣、北側国交大臣など閣僚の前で、耐震化の大事さの啓発をするようにとの指示が入りました。中央防災会議の下に設置された「災害被害を軽減する国 民運動の推進に関する専門調査会」の中間報告を行うことと連携して、名古屋での啓発活動を紹介することになりました。当日は、なんと、首相官邸に、「ぶる る」一式を運び込み、様々な実験をしてきました。小泉首相の前で、木造ぶるるを倒壊させたり、小泉首相を始め閣僚の皆様に紙ぶるるやパラパラぶるるを使っ てもらい、耐震化の大事さを分かってもらいました。みなさん、子供のように喜んでくださり、耐震化のエッセンスも理解してくださった様子です。たった15 分のプレゼでしたが、その後、活発な質疑応答も有り、こういった啓発の大事さを改めて感じました。

皆さんも、防災の国民運動を活発に行うため、一緒に楽しみながら啓発をしましょう。夏には、内閣府と名古屋市が共催する防災フェアが栄周辺で実施されます。この機会に、是非、元気な名古屋が我が国の防災啓発の見本になるようにしましょう。