実験概要

はじめに

 兵庫県南部地震における震度7の地域では、全半壊をまぬがれた住宅のうち、全体の約6割の部屋で家具が転倒し部屋全体に散乱したというデータがある1)。様々な家具固定グッズが開発され実際に使われているが、その使い方やちょっとした固定方法の違いによっては気休め程度の効果しか発揮できない例もある。そこで家具固定の効果の違いを明らかにするために、実際に様々な条件・方法で家具を固定し振動台にて実験を行った。

1)阪神淡路大震災住宅内部被害調査報告書,日本建築学会建築計画 委員会 兵庫県南部地震調査研究部会 建築内部空間における被害WG,1996.

実験条件

入力波 2001年芸予地震での地震波を震度7相当の揺れになるように振幅を3倍にした水平動。

震度6弱~震度6強の揺れを再現するため 75% で加振。
震度6強~震度7の揺れを再現するため   98% で加振。

荷重

実際の使用状況を考えて、棚には本の変わりに重りとして板(8枚/段)を入れた。この重りが飛び出さないように留め具を各棚前方に取り付けた。

また、吊り戸やウォールファニチャーには水を入れたペットボトル(500ml及び1000ml)を20~40本入れた。

その他

ゲルマットによって固定する実験では、実際の状況に少しでも近づけるため、一通りの実験が終了した後にゲルマットを取り付け、一晩置いた後翌日の朝に実験を行った。

動画は載せていないが、25%、50%で加振実験を行ったものもある。

 
作成:名古屋大学福和研究室  協力:旭化成ホームズ
(C) 2006 Nagoya University Fukuwa Lab. All rights reserved.