Altus Etna, K2 操作方法

Last update 2008.12.1.Mon.
This file is written by Kojima Hiroaki (Nagoya Univ.)


設置・データ回収

1. 強震計の設置

2. 各種設定
   2.1 収録機とパソコンの接続
  2.2 QuickTalkの起動
  2.3 時刻の設定
  2.4 パラメータの設定
  2.5 データ収録の設定

3. 動作確認

4. データの回収

その他

5. teminal画面で使用するコマンドの解説 ・・・たくさん増やしつつあります

6. 石垣LANアダプタへの接続方法

7. その他の情報
  7.1 DC電源ケーブルに関して
  7.2 GPSのLand modeとStatic mode
  7.3 GPSケーブルの延長,分岐
  7.4 使用するメモリカードに関して
  7.5 Minimum Run Timeに関するバグ
  7.6 Etnaを使用した常時微動計測の注意事項
  7.7 ローレベルフォーマット

※ このマニュアルは,私がメモがてら作成したものです。詳細は,Kinemetrics発行のマニュアル(英語)を参照して下さい。

※ このマニュアルは,Altus File Assitant が公開される前から作成しているため,Altus File Assitant を使用する場合は,
  マニュアル内の Quick Talk と書かれている部分を,適宜 Altus File Assistant と読み替えて下さい。


使用するソフト

Quick Talk
Etna, K2との通信ソフト:各種パラメータの設定,データの吸い上げを行う

Quick Look
Etna, K2で収録されたEVENT(拡張子は.EVT)ファイル表示(波形のみ表示)

STMAP
Etna, K2で収録されたEVENT(拡張子は.EVT)ファイル表示・簡易解析・データ変換

  Altus File Assistant
  Etna, K2との通信ソフト(COM, TCP/IP, モデムによる接続が可能)
       同時に複数の機器との接続が可能

k2crop K2CROP
 Etna, K2で収録されたEVENT(拡張子は.EVT)ファイル表示(波形のみ表示)
      長時間の記録を見るのに適しています。


1. 強震計(Etna)の設置

このページのトップへ

2. 各種設定

各種パラメータの設定にはQuick Talkを用いる。ここでは各種パラメータの設定の他にQuick Talkの基本的な操作方法も示す。このマニュアル中では,Altus EtnaK2収録機として表記する。

2.1 収録機とパソコンとの接続

収録機とパソコンとを接続するための専用ケーブルを用意して,収録機側面の中央にあるコネクタと,パソコンのRS-232Cコネクタを接続する。
RS-232Cコネクタがない場合は,USB-シリアル変換ケーブルを使用して下さい。
私は,秋月電子のUSB-シリアル変換ケーブル(M-00720)を使用しています。
<補足>
・Quick TalkはCOM1~COM4までの設定選択が可能。
 File Assistantでは,COM1~COM20までの設定選択が可能。
・File Assistantでデータ回収等の操作が安定して行えない場合があります。このような場合には,
 COMポート番号変換プログラムを使用して,Quick Talkで接続して下さい。

2.2 Quick Talkの起動

2.2.1 通常の操作

・ALTASフォルダ内のQuick TalkアイコンをダブルクリックしてQuick Talkを起動する。
・起動したら通信ポートの選択画面が現れる(図2)ので,com119200baudを選択し,OKボタンをクリックする。通常はこの時点で,収録機との通信が可能となり,Quick Talkの画面上に収録機の状況が表示される(図3)

※ デフォルトのボードレートは19200baudだが,57600baudを選択して下記のようにしてボードレートを合わせれば通信可能である。
   57600baudで接続すればデータ回収は3倍速で行える。

2.2.2 Quick Talkの画面上に収録機の状態が表示されない場合

(原因1) 収録機とパソコンのボードレートが合っていない

(対処方法)

(原因2) 収録機の電源が入っていない

(対処方法)

収録機のふたを開け,スイッチをOPERに切り替える。

2.3 時刻の設定

収録機の時刻較正は下記の3種がある。これらはQuick Talkの画面のDate: を見ると確認できる(図3)

2.3.1 PCとの時刻の同期

Quick Talkの画面上の,最上段のALTUS Status画面の中にあるSet Timeを押し,PC Timeパネルを押す。

2.3.2 GPSの設定

GPSを用いた時刻校正の方法はGPSに関するコマンドで記述する。
GPSの操作を行うために,DGとタイプする。そうすると,DG>と表示されるので,GPSの操作が可能となる。

2.4 パラメータの設定

パラメータの設定は, Recorder > Aquisition Control を選択し,Aquisition Controlパネル(図4)内のEdit Paramertersを選択する。Edit Paramertersパネルには下記のパネルがある(図5)。収録機のパラメータを変更する場合はFrom Recorderを選択して,収録機の設定をPCに読み込む。表示文字が黒い場合に設定変更可能(図6)

パラメータの設定が終わったら,(図14)のように設定変更をした項目にはがつく。To Recorderを押すことでこれらの設定を収録機に反映させる。パラメータの設定は以上なので,Closeを押して,Edit Parametersを閉じる。

このページのトップへ

2.5 データ収録の設定

Quick Timeのterminal画面で以下の設定を行う。コマンドは小文字入力をしてもOK。

このページのトップへ

 

3. 動作確認

動作確認はKey Board Triggerか,Functional Testを用いて行う。
どちらもRecorder > Aquisition Control を選択し,Aquisition Controlパネル(図4)から操作を行う。

このページのトップへ

4. データの回収

 <方法1> PCと収録機をケーブルで繋いでデータを吸い上げる (データ量の少ない場合)

 <方法2> 収録機の電源を入れたまま,メモリカードを抜いてPCに直接読み込む(余震の発生確率が高い場合)

 <方法3> 収録機の電源を入れたまま,メモリカードを抜いてPCに直接読み込む(余震の発生確率が低い場合)

<方法4> 収録機の電源を落としてから,メモリカードを抜いてPCに直接読み込む

このページのトップへ

5. terminal画面で使用するコマンドの解説

コマンドは大文字・小文字の区別はされていない。

5.1 現在状況の確認

STA 現在状況の確認。
    メモリの残量,時刻の校正,バッテリの状況などをチェックする

5.1 メモリカードの操作

基本的にはDOSプロンプトと同様に扱うことが可能である。

5.2 収録条件の操作

5.3 手動でトリガを掛ける

5.4 収録されるファイルの名前を変更する

まだまだ続く・・・

このページのトップへ

 

6. 石垣LANアダプタへの接続方法

石垣LANアダプタとは,シリアル(RS-232C)- LAN(10Base-T)変換器のことである。

6.1 石垣LANアダプタの設定

( 1 ) ターミナルソフト(ハイパーターミナル)を起動

・通信設定:COMPORT ( 1 ) 及びボーレート ( 9600 )

( 2 ) LANアダプタの再起動

・LANケーブルを外す。
・電源ケーブルを外して,すぐまたつなぐ。

( 3 ) ターミナルソフト上で,「Cntl + C」を押す
   → LANアダプタの設定画面が表示。

以下の設定を行う。(「 」内の数字を入力)
・「2」プロトコル - 「1」ソケット
・「3」ソケットデータ - 「2」トランス - 「1」YES
・「4」ネットアドレス - 「1」MYアドレス - アドレスの入力
・「4」ネットアドレス - 「2」ポートNo. - ポートNo.の入力
・「4」ネットアドレス - 「4」サブネットマスク - サブネットマスクの入力
・「6」シリアルポート - 「1」スピード - 「7」576000
・「6」シリアルポート - 「5」フローコントロール - 「1」NONE
・「8」EXIT - 「2」Save

( 4 ) LANケーブルの接続及びLANアダプタの再起動

以上で設定終了

6.2 収録機の設定

Quick Timeのterminal画面で以下の設定を行う。
BAU 576 ・・・転送速度 57600bps
AUTO 1  ・・・転送速度固定
AQ FILE 1 ・・・フラット・ディレクトリ・ファイル構造
<注意>
 フラット・ディレクトリ・ファイル構造にするとファイルが消えるため,作業前に収録データをバックアップすること!

このページのトップへ

7. その他の情報

7.1 DC電源ケーブルに関して

・過去に,EtnaをAC電源のない場所で使用する場合,12Vの自動車用バッテリ(80D26R)を使用した。DC電源をEtnaとをつなげるケーブルは,Pin-Cが正(+),Pin-Dが負(-)となるように作る。
自動車用バッテリは1つで約1週間もち,2つ並列つなぎで使用すると約2週間もつ。

7.2 GPSのLand modeとStatic mode

・詳細は2.3.2 GPSの設定に記載

7.3 GPSケーブルの延長,分岐

・Etnaに付属しているGPSのケーブルは30mであるが,これを延長する場合にはテレビ用の同軸ケーブル(S-5C-FB 75Ωを使用する。当研究室では約70mに延長したことがある。
分配機(MASPRO 社の3SPFS<電流通過型>を使用して,1つのGPS信号を分岐させ,2つのEtnaで利用したことがある。

7.4 使用するメモリカードに関して

・当研究室では,Etna, K2とものメモリカードとしてコンパクトフラッシュを使用している。SunDisk,MELCO,I-O DATA,MITSUBISHI CHEMICAL64MBまでのコンパクトフラッシュは動作確認済み。128MBSunDiskのみ動作を確認。他メーカーは不可。
ADTECのコンパクトフラッシュは動作しなかったので購入の際に注意すること。
・SunDisk 256MBは使用可能。
2007年末の時点で,SunDisk 256MBのCFは生産終了。

7.5 Minimum Run Timeに関するバグ

 Etna, K2ともにパルス的な地震動の場合,Minimum Run Timeが正常に動作しない場合がある。この現象は,トリガレベルを越えた時間が非常に短い場合に、測定は開始されるけれども、ミニマムランタイムの処理をするプロセスが、トリガーを見落とすのが原因。このバグの解決方法は,プログラムをAltus K2,ETNAともに,v2.89にバーションアップすることで解消する。バージョンアップは,電話回線経由で可能なケースもあるが,v2.89へのバージョンアップでは,Boot Loaderも変更する大幅なバージョンアップとなるため,基本的には,現地に行く機会がある時に,直接ケーブルを接続して行うのが安全。

7.6 Etnaを使用した常時微動計測の注意事項

 Etnaはデータを収録している最中に,前面の赤色LEDが1秒間隔で点滅する。常時微動は振動レベルが低いため,この1秒間隔のLED点滅に起因する電気ノイズがデータに入ってしまう現象が確認されている。そこで,常時微動計測を行う際は,データ収録時にLEDが点滅しないように設定を変更する必要がある。但し,設定変更を行うとEtnaが正常にデータ収録を行っているか確認ができないため,PCでモニタリングしながら計測をすることを勧める。 (詳細な内容)
<設定方法>
 * AQ DIS 0  LEDを点滅させる
 * AQ DIS 1  LEDを点滅させない

7.7 ローレベルフォーマット

 2004.9.5に発生した紀伊半島南東沖の地震において,名古屋大学内で継続時間が400秒程の貴重な記録が得られた。しかし,データによってはビット落ちが生じてしまっていた。この原因は,メモリカードへの書き込み時に発生していることが判明した。調査の結果,ビット落ちを防ぐためには,通常のフォーマット<ハイレベルフォーマット>だけではなく,<ローレベルフォーマット>を行えば良いことが分かった。
<実施方法>
 フォーマットによりメモリカードに保存された全てのデータは消失するため,予め必要なデータはパソコン等にバックアップする。
 PCとEtnaをRS-232Cケーブルで直接接続し,QuickTalkを起動する。
 ターミナル画面を開いて以下のコマンドを入力する。
  <ローレベルフォーマット>
  * DG
  DG> FOR

  This command will format and check each disk sector
  and may take a very long time to complete.
   Do you wish to format drive A:? y
  CAUTION: All data on this disk is about to be destroyed.
  Enter 'destroy' to continue or <CR> to exit: destroy
 
   ここで長時間掛かります。64MBのメモリで約1時間。
  途中で文字化けするが,気にせずにズーッと待ち続ける。
  ローレベルフォーマットが終了すると,DG> とダイアログが出るか,
  文字化けしたまま止まっているはず。

  DG> Q  (DGモードを終了するし,ハイレベルフォーマットを行う)

  <ハイレベルフォーマット>(通常のフォーマット)
  * FOR
 Quick format drive A:? y
 CAUTION: All data on this disk is about to be destroyed.
 Enter 'destroy' to continue or <CR> to exit: destroy

 *
 このプロンプトが出れば,作業終了。


このページのトップへ