科学研究費基盤研究(C)、21560586、代表:護雅史、H21~23年度
本研究は、想定東海地震、東南海地震、南海地震、三河地震等による未曾有の被害に対して、有限かつ変動するヒト・コト・モノ・カネで、莫大な情報量の中か ら学術的に重要な被害調査情報を取捨選択するための、いわば「データトリアージ」と効率的な被災調査行動戦略の策定を、満足化手法により実現しようとする ものである。1944年東南海地震、及び1946年南海地震から既に半世紀以上経過し、都市や町も大きく変貌してきている。このような状況で、巨大地震が 発生した場合の被害を的確に予測することは非常に難しい。広範囲に被害が及ぶと、被害調査を実施する地域が拡大する反面、被害調査のための研究者や利用機 材は限られる。また、調査中にもう一つ地震が発生した場合には、新たな被害が発生するとともに、調査可能な研究者が減り、被害調査体制がさらに手薄になっ て、多くの貴重な学術的情報を喪失することが危惧される。
この状況を回避するためには、貴重な学術的情報をできるだけ喪失しないための戦略(緊 急を要する情報と猶予のある情報を判別し、何を選択し、何を捨てるか)、いわばデータトリアージと被害調査戦略を、変化する与条件に応じて即座に策定する 必要がある。その方法論の構築が本研究の目的である。
last update: 2010.3.11